突撃! バトルファクトリー・6

絵板もの

「サンドパン、出ろ!」
ダツラは、手元に残った最後のボールからポケモンを呼び出した。
手持ちが二体ともじめんタイプだが、バクーダの炎があればハガネールにだって対抗は出来るだろう。そもそも今はこの二体しかない。どんな状況であろうと、これで戦うしかないのだ。
だが次の瞬間、その考えが甘かった事にダツラは気づかされた。
「ミミロル、みずのはどう!」
ブソンのミミロルは、じめんとほのおに有利な水系技を持っていたのである。

「ハガネール! アイアンテールッ!」
「ミミロル! バクーダに、けたぐりだ!」
最初の水技が悪かったのか、サンドパンとバクーダへのダメージは相当のものだったらしい。
地に足を踏ん張ってはいるが、いつ倒れてもおかしくない状態だ。このままでは、フリーザーを助ける前にすべてが終わってしまうかもしれない。
サンドパンとバクーダが倒れたら、次の標的がダツラだという事くらい容易に想像がつく。

(こうなったら、イチかバチか…!)
何かを決意したかのように両の拳を握り締め、ダツラは声を張り上げた。
「バクーダ! 火炎放射だ!」
そして右手で指し示したのは、銀色の鉄壁ハガネール。バクーダは言われた通りの方向へ、灼熱の赤い帯を吐き出した。
「ハガネール、避けなさい!」
「させるかよ! ミミロル、バクーダにとびけりだ!」
ミミロルのバネ仕掛けのような足腰に、力が溜め込まれたその時。
「サンドパン! こうそくスピンでミミロルを足止めしろ!」
ハリ山の体を丸め、凄まじい回転でミミロルを狙うサンドパン。その間にも、バクーダはありったけの力を振り絞って炎を吐く。

違和感に最初に気づいたのは、ハガネールのトレーナーのバショウだった。
バクーダの紅蓮の炎は、鉄のヘビにとっては脅威である。バショウ自身消極的な指示しか出せない事にはがゆさを覚えるが、技を真正面から受けるわけにはいかない。
逆を言えば、ダツラは積極的に攻撃をしかけてもいい場面である。
なのに…。

「ブソン、気をつけて下さい。ダツラは何かを企んでいるかもしれません」
バトルに熱くなっている相棒の横へ滑り込み、彼は小声で言った。
「…どういう意味だ?」
「バクーダの炎…すべてが微妙にハガネールから外れている。もし、わざと外しているのだとしたら…」
そこまで言いかけた時、ハガネールのずっと後方から突然火の手が上がった。