突撃! バトルファクトリー・9

絵板もの

「………師匠…いったい何があったんスか…?」
「いやぁ…それが話せば長くなるんだが、作業所の燃料タンクに引火しちまってよ」
「……はぁ…」
未だ煙とホコリを吐き出す瓦礫の山を見上げ、ダツラの弟子のスギオは呆然と立ち尽くしていた。

彼は、ダツラの使いで朝からファクトリーを留守にしていた。
昼にいったん師匠に電話を入れた時は、別段変わった様子もなかったと思う。それが、日の落ちる頃にやっと帰ってこれたと思ったら、第三作業所が姿を変えていたのである。
「燃料に引火って…師匠ともあろうお人が、なぜそんな事態に…」
「ロケット団の奴らが、フリーザーを狙ってきやがったんだよ。俺がポケモンを持っていなかった事もあって、本当にギリギリの選択だったんだ」
ため息をつきながら、ダツラはこれまでのいきさつをスギオに話して聞かせた。

だが、スギオの関心はロケット団よりも、どうやら違う方向に向けられていたらしい。
ジト目でダツラをにらみつけると、低く抑揚のない声でとつとつと話しだす。
「確か…以前に言いましたよね。燃料は格納庫へ移して、作業場には危険だから置かないで下さいって…」
「はっ!…そ、そうだっけ…」
「ロケット団を倒すためとはいえ、燃料がここになければ火災程度で済んだんですよね」
「や…それはまぁ…そうかもしれねぇが……」

ダツラは以前から、燃料についての注意と小言を再三受けていた。そのため、これだけ甚大な被害を受けたに被害者側にも係わらず、スギオから原因のひとつとして数えられてしまったのだ。
フリーザーが救えたのだから、すべて良しとしよう。
そう思いながらも、自分の日頃の行いをちょっとだけ反省するダツラであった。


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