日々是色々・2

絵板もの

バショウの体は、思ったより浅い位置にかろうじて引っ掛かっていた。
幸い大きな怪我はない。安堵のため息を吐きながら、ブソンは相棒の体をかつぎ上げロープを登っていく。
「大した事がなくてよかったぜ…」
「いえ…私はここで棄権します。あとは貴方一人で進んで下さい」
「本気で言ってんのか?」
「…足手まといは嫌なんです…」


絵板もの

バショウの過去二回の試験はどちらも棄権で終っていた。
運悪く二回とも天候に恵まれず、小柄でスタミナ不足の彼の体は耐えられなかったのである。
しかし、ブソンは言い切った。
「これで悔しくなかったら男じゃねぇぞ。俺はお前を置いては行かない。俺は、棄権だけは絶対許さねぇ」
乱暴ではあるが、恐らくそれが彼の精一杯の思いやりなのだろう。


絵板もの

その夜。ブソンは相棒の体力温存のため、一人寝ずの番を引き受けた。
昼間の出来事で、バショウの試験に対する気持ちが萎えかかっていると感じたからだ。それは安易に棄権を口にした事でも分かる。
二度の棄権の過去が、彼にそんな言葉を言わせている。
いつも自信に満ちたバショウの弱気を、ブソンは初めて見た気がした。


絵板もの

天気もよく気持ちのいい朝だというのに、徹夜明けのブソンの意識はもうろうとしていた。
途中で捕獲したドンファンを足代わりにしながら、二人は次々と自分のポケモンを増やしていく。
だが、昼を過ぎて夕方になっても、ブソンはあと一体がどうしても捕まえられない。ひどい眠気と疲れで、意識がポケモンに集中しないのである。
チャンスは何度かあった。なのに、それをものにする事が出来なかった。