特務、逃げるの巻・3

絵板もの

山の間を走る澄んだ音に呼ばれてきたのは、二体のオニドリル。ジャッキーとピジョットの両脇を、ロケット団目指して一直線に通り過ぎていく。
敵を追ってこの山に入った時から、山頂付近にたくさんの鳥ポケモンがいたのは分かっていた。しかし、まさかその中に手持ちを潜ませていたとは。
必ずひとつ逃げ道を作っておく…それが特務工作部のやり方なのだ。


絵板もの

「ハガネール! すなあらし!」
バショウの命令と同時に、鉄のヘビを中心に空気が集まり始めると、それはやがて砂を含んだ風の渦となり、ロケット団を囲む防壁となった。
光の加減で外側からは中の様子が見えにくいのに、中からは外界がはっきり分かる。しかも、すなあらしはピジョットの体力をじわじわと削っていく。
バショウのハガネールが操るすなあらしは、防御であり攻撃でもあった。


絵板もの

ジャッキーは、これ以上ここで粘るのは得策ではないと考えた。ポケモンに彼らを尾行させ、自分は別ルートからロケット団を追った方がいい。
「ピジョット! すぐにここから離れるんだ!」
だが、言い終わるか否かの瞬間。
空気の切れ目から飛び出した黒い塊がピジョットの体にぶち当たり、ジャッキーをぶら下げたまま後方に大きく吹っ飛んだ。


絵板もの

「ベトベトンのヘドロばくだんと、ハガネールのすなあらしのコラボだぜ。なかなかだろう?」
威力の弱まったすなあらしの中から、ブソンが意地の悪い声で嬉しそうに言い放つ。
「俺達も暇じゃないんでね。最後まで相手はしてやれねぇが、今日はこの辺で勘弁してくれ」
「むしろ、最後までではなかった事に感謝してほしいですね」

バショウの言う「最後」とは「とどめ」の事なのだろう。彼はまるで友人との立ち話のような軽さで、残酷な言葉をさらりと口にする。